眠たくなるには

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どんなときも支えてくれた笑い泣いた仲間へ/チーム覇によせて。

短かったようで長かった、チーム覇の夏が終わりました。

後半戦の立ち上がりは悪いものでした。とにかく勝てない。
ポンポンと黒星がついて、後がない。決勝の雲行きが怪しくなる中、最後の4連戦。
8/15、チーム者との対決。
こちらもお互い後がない対決でした。どちらかが勝って、どちらかが負けたら予選敗退が決まる。
緊張感はものすごいものでした。
チーム覇はここで2連勝をあげ、チーム者は一番最初に予選敗退と最下位が決まりました。

迎えた最終日、8/16のチーム武との対決。
覇はパフォーマンス中に、
「者の分まで決勝いくぞ!」
「覇者になるぞ!」
と声をあげました。
昨日戦ったチーム者の分まで、者が流した涙の分まで、覇はそれを乗せて声をあげ、パフォーマンスを行いました。
新、ラストトリックと名付けたラストトリックは、今までの集大成と言ってしまってもいいようなもので、15cm高くなったバンク、宮近の新技、みずきは先に飛んで待っていた4人を飛び越えるエアーを決めました。
出来は最高、ミスもなかった。
けれど、デシベルで覇は武に負けてしまいました。
祈るような気持ちで待ったジュニア票。ここでは覇の方が多くボールを手に入れましたが、結果得点は一緒。この場合、客席投票が大きかったチームが勝ちあがります。
負けた、という言葉と、それが為す意味を、会場は果たしてどこまでわかっていたのでしょうか。
なんどもなんども確認して、どうやら一度負けてもデシベル勝負に持ち越せるのではないか、まだ、覇が決勝にいく可能性はあるはず。そう思って昼公演を見届けていました。それが、どうやらそうじゃないということは、公演後に知ります。
昼に負けた覇は、夜に勝つ必要がありましたが、その際必要なデシベル数は149。平均して110くらい声を出したとしても、13人のジュニアが全員投票してくれたとしても、敵わない数字でした。
ああ、ダメなんだ。
公演終わり、スマホの画面を見て、ぼんやり思いました。
実感がない。負けたときに、終わってしまったと、だれも言わなかった。
果たして、本人たちはこの状況に気付いていたのだろうか。行き場のない悲しみで、私も覇担の友達も言葉をなくしました。
そうして迎えた最終公演。
泣き出しそうなのをこらえながら、出てきたチーム覇に目を凝らしました。
そこにいた覇のみんなは、この夏何度も何度も見たとおり、にこにこ笑って、事あるごとにぎゅうとくっついて、肩を抱いては笑い、目を合わせては笑っていました。

やすいくんは、「特別」をとても上手に演出するひとです。
メドレーのKQJ、やすいくんのお当番は「ジョーカー」です。いつものとおり、可愛く、またはセクシーにジョーカーというのかと思ったら、涼ちゃんとみずきを抱き寄せて、みんなでジョーカー!と言いました。
スキすぎてでも、アイアイラービュー後のセリフで全員で出てきて、「おれたちがチーム覇!」と、お馴染みになった覇ピースを見せてくれました。
まるで名残を惜しんでいるかのような、隣に立つその小さな肩を、並んだ熱の温度を、慈しむように確かめるように、何度となくくっついては笑っていました。

最後なんだ、と、噛み締めながら、迎えたラストパフォーマンス。
覇はいつも通り順調に淡々とパフォーマンスをこなしていきました。にこにこと笑ったやすいくんや宮近が客席を煽ります。
何度も何度も聞いて、その度に祈るような気持ちになった宮近の「あかるくいきましょう!」という声。
自らを鼓舞するように、ファンを鼓舞するように、その日も宮近の声は綺麗に通りました。
泣いてたらいけない。
ペンライトを掲げて、覇の名前を呼びました。
ラストトリックのパフォーマンス中、大トリを飾るのはみずきです。
4人を飛び越えるジャンプをするみずきに、みんなは言いました。
「飛ぼう!飛んで決勝いこう!」
「者の分も!」
それを聞いたとき、ちょっとぞくっとしました。
そのまま震える手で、握り締めたメモに殴り書いた言葉。
「この子達あきらめてない」。
無理かもしれない。現実的ではない数字を出さなければいけない。けれど、ステージの上の覇のみんなは、そんなこと1mmも思っていないという顔で、みずきに声をかけました。それは、諦めそうなファンにも向けていたのかもしれません。諦めないで最後まで、声を上げてくれ、というように聞こえました。
みずきが深い息を吐いて、最後のトリックのために坂を滑り落ちる。それが、スローモーションみたいに感じました。バンクから飛び立ったみずきはすごく高く、悠々と4人を飛び越えました。
みんな起き上がって喜び、抱き合い、最後になる「おれたちが、チーム覇!」をやってハケていきました。

迎える武のパフォーマンス。こちらもすごく綺麗にきまっていました。
緊張の最中、ジュニア票の投票が始まり、客席投票が始まりました。
出た結果は、客席投票では覇のリード。
昼に客席投票で負けてしまった分、ここで取り返すことができてよかったと、そのときは本気で思いました。
続いてジュニア票の開票。
いつものように涼ちゃんが箱を持って、中のボールを掴んで出していきます。
涼ちゃんがあの箱を持ったとき、何を思ったんでしょう。思っていたより軽かった?重かった?全16戦で、箱の重さでいろんなことを察したでしょう。
ボールを一つずつ、数えては出して投げていきます。覇が勝つには、ジュニア票で武よりボールが二つ多く入っていなければなりませんでした。
ひとつ、またひとつ、ボールを数えるたびに、涼ちゃんの目に涙が浮かんでいきました。か細い悲鳴が客席から上がっていきます。ああ、負けてしまうんだ。と、わたしもここで悟りました。
涼ちゃんは溢れる涙を止めることができず、隣に立つ宮近の肩に額を押し付けるようにしてしゃくりあげました。ボールはまだ、開票の途中。宮近は涼ちゃんの様子を見て、すぐに箱をみずきに渡しました。それを受け取ったみずきは、なんとも言えない顔でボールを引き出しました。
開票の途中で、涙で濡れたEXシアター。さなぴーが、「ここで武にボールが入っていたら、武の勝利です」とおさらいをします。みずきは箱に腕を入れ、隣にいた顕嵐を見上げました。顕嵐は一緒に箱に腕を入れて、それから、すこし、うなだれました。
武の箱にはボールが入っていました。掲げた空っぽの箱。終わりは、すごく静かにおとずれました。
武は勝利を、すごく静かに受け止めていたように思います。自分たちが勝ったら、それはすなわち、覇の予選敗退につながるとわかっていたのでしょう。神妙な顔で結果を受け止めた両チーム。泣きじゃくる涼ちゃんの肩を宮近が何度も何度も、撫でてあげていました。
やすいくんは唇をまっすぐに結んで、それでもマイクを顎からおろしませんでした。

やすいくんはそれでも、笑顔でいいました。
「一旦みんな、お疲れ様!」
会場に、ファンに向かって笑顔で言ってくれたやすいくんにたいして、わたしはこの間放送されたガムシャラを思い出していました。
『ファンの人が楽しんでくれるかが不安』
やすいくんは最初から、勝負の行方よりも、それがファンを楽しませるものであるかどうかを気にしているようでした。
ただ戦うだけでなく、それが楽しんでもらえるパフォーマンスでなければだめなのだと、そう思っているようでした。
聡いひとだから、きっとファンの思いも伝わっていたでしょう。勝って欲しいと祈るように、負けてしまえば泣き出してしまうようなファンを相手に、やすいくんはきっと、心を砕いたことでしょう。
たぶんきっと、やすいくんはわたしたちに、覇を応援していたみんなに、ねぎらいの言葉をかけたいと思っていてくれたのだと思います。
去年自分が欲しかった言葉。それを、やすいくんは今年たくさんたくさんふりまいていました。
後半戦から参加したさなぴーにたいしても、「ずっとそこで見てるんだもんね」「さなぴーもお疲れ様だよね」と、頑張りをわかっていると認めるように声をかけていました。

やすいくんはにこにこしたまま、
「一緒に戦ってくれてありがとう!ひと夏の思い出ができたね!」
「今年は参加できて嬉しかった!すっごい楽しかった!」
「去年ずっと見てたからさ、今年はやりたいって思ってた!」
と続けました。ああ、楽しかったんだ、よかったな。やすいくんにたいして、決勝につれていってあげられなかった、昼公演デシベルで負けてしまったことを、悔やむ気持ちがすこし晴れました。

涼ちゃんが泣きじゃくるなか、覇のメンバーはみんな、泣きませんでした。
目はうるうるしていたかもしれませんが、涙はこぼしませんでした。
巻いた感じでさなぴーがパフォーマンスバトルの終わりを告げ、みんながハケていくなか、さなぴーは涼ちゃんを、やすいくんはみずきを、なだめるように肩を抱いていきました。
もちろん時間的な問題もあったのかもしれません。もしかしたら、ステージ上でひとり泣きじゃくる涼ちゃんを心配してくれたのかもしれません。
涼ちゃんは、泣かない(泣けない)覇のために涙を流してくれたのだと思います。涼ちゃんが泣いてくれたおかげで、わたしも泣くことができた。覇のみんなの涙を引き受けたかのような、号泣でした。

最後の覇メドレー。
我や者や武のメドレーの始まりと違い、覇はコメントをいれるような構成になっていません。けれど、メンバー全員そこには涙はなく、最後のメドレーを楽しんでいるように思いました。
けれど昨日は最後で、どう転んでも、泣いても笑っても最後で。
いつも通り、普通にRWMを歌って、みずきと涼ちゃんが明日の為に僕がいるを歌うなか、一人踊っていた宮近は、涼ちゃんとみずきを後ろから抱き寄せました。2人とも照れたように笑って、それでも歌ってにこにこしていて。
hairもSummer上々!も、相変わらず楽しいハッピーさに溢れていて。
覇の最後のメドレーが終わって、聡ちゃんが歌って、さなぴーがギターを持って出てきました。
「今日は、ぼくの個人的な気持ちなんですけど、チーム覇のみんなとうたいたいと思います」
「チーム覇のみんな、チーム覇のファンの皆さん、お疲れ様でした!楽しんでください」
たぶん、最後に結果発表をするから、ここで敗退っていえなかったんだと思います。いえなくても、でもきっと会場のみんなわかっていた。
「おじゃましま~~~す!」と出てきた覇のみんなは笑っていました。
ここで始まった「Oh yeah」。風磨ソロのときはタオルを振り回してにこにこ笑って聞いたこの曲を、まさか涙交じりで聴くことになろうとは。
「かける静寂の道を~」を歌う覇のみんなに、さなぴーはずっと「覇!覇!」と煽っていてくれていました。やすいくんはステージを右へ左へ移動して、覇の全員と肩を組んだり、背中に触れたりして歌って笑っていて。
けど顔は覗き込まず、隣に立っていました。何回もMCでいじっていた宮近の髪の毛をぐちゃぐちゃにかき混ぜるようにして撫でて、ずっとおにいちゃんとして立っていた宮近が、やっと弟になって笑った瞬間。
やすいくんはさなぴーにも、労わるように、もっとさなぴーにも注目してくれと言わんばかりに隣に寄り添っていました。去年の自分の立ち位置にいるひとをみて、去年欲しかったものをあげている。
Oh yeahを歌いきった彼らは、湿っぽさは似合わないといわんばかりの笑顔でハケて、とにかくずっと、ずっと笑っていて。

アンコール、決勝進出するグループの発表がありました。
そこには全チームが揃っていて、昨日決勝行きのバトンを託された、者の姿もありました。
覇と者は予選敗退。決勝に進む3チームを、どんな気持ちで見ていたのでしょう。
武を代表して玄樹さんが、マイクを持って力強く、言ってくれました。
「者と覇のぶんも、決勝で頑張ります」
バトンが、たすきが繋がれた瞬間。
ああ、終わったなあって、何度目かわからないくらい思いました。
負けたからといって、そのチームが頑張らなかったわけでも、劣っているわけでもありません。覇も、者もそうです。
勝負には負けてしまったけれども、だからといってそのチームがダメだったなんてことはなくて。
みんな一生懸命でひたむきで、まっすぐ前を向いて頑張った結果がこれで。
会場に広がる黄色のペンライトは、覇を讃えるようにゆらゆら揺れていて。
決勝に連れて行ってあげられなかったという悔いはいまだ残るけれど、でも、本人たちが胸を張ってにこにこ笑っているのだから、こんなに誇らしいものはないなと思いました。

やすいくんは覇の中でずっと、おにいちゃんでした。
10歳も年齢差があるチームで、しかも自分以外はシンメで、大変だったでしょう。
面倒見の良い彼は、メンバーを率いるという選択をしませんでした。
みんな横並び。みんなで一緒。それにこだわったやすいくんは、たまには身体を預けたり、向こうの身体を受け止めたりしていました。
けれど、やっぱり宥めたり慰めたり、落ち込んでいるのを引っ張り上げるのは年長者のやすいくんの仕事でした。
だれか、やすいくんにも頑張ったねって言ってくれないかな。ファンがどれだけ声をあげても、きっとやすいくんには届きません。最初から立っている位置が違うのです。やすいくんの心に、ちゃんと届けるには、残念だけれどファンじゃ役不足で。だから、だれか、やすいくんの近くで、やすいくんの頑張りがわかるひとに、やすいくんを労わってほしかった。
そんな中、参加チーム全員が揃ったアンコール。狭いステージの上はたくさんのジュニアでごった返しました。
急遽決まったのでしょう、アンコールのスキすぎての「アイアイラービュー」では、誰も台詞を言わず、そんな事態にみんなが笑っていました。
そんな中、すぐさま神宮寺さんが者を引き連れて、「俺らが勝者!チーム者!!!」と高らかに言い放ちました。それを見てすぐ、覇の面々がみんなで出てきて「俺らが覇者!チーム覇!!!」と、おなじみの覇ピースをやってくれました。
そそくさとセンターから離れるとき、はぎちゃんがやすいくんを出迎えてくれました。手を広げて待っていたはぎちゃんに、やすいくんはちょこっとだけ、軽くぶつかるみたいにしてハグをして、そのまますぐに離れました。
あれが、はぎちゃんからの「おつかれさま」「がんばったね」であれば良いとおもいます。
前日、者が敗退したとき、やすいくんがはぎちゃんをハグしたと聞きました。そのお返しだったらいいなと思います。
お互い、別々の場所で戦ったシンメの、夏の終わりにふさわしい出来事。

やすいくんはこの夏、何を考えて何を思っていたのでしょう。
例年とは違う夏を経て、やすいくんは何か変わったでしょうか。
慈愛に満ち満ちた「One love」は、チーム覇にぴったりでした。
「どんなときも支えてくれた/笑い泣いた仲間へ/心込めて/ただひとつだけ/贈る言葉はありがとう」!
やすいくんと過ごすはじめての夏、やすいくんがくれた「チーム覇」というプレゼントと駆け抜けた夏、すっごく!楽しかったです!