眠たくなるには

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水琴窟/やすいくんお誕生日おめでとうポエム的なもの

・やすいくんおめでとうという気持ちのポエム
・おたくの変なフィルターがかかってます

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少年はひとりだった。
思えばはじまりから、ほかとは違っていたのだ。
皆が通るはずの試験がなかった。同期という存在がいなかった。入ったばかりの皆は、揃って子供だった。見た目だけの話ではない。
少年は、多分少し遅かった。少年と同い年のひとたちは、ある程度の位置にいた。
入ったばかりの少年と、同い年のひとたちとは、わかりやすく線が引かれていた。
唐突に、夏の夕立のように現れた少年。
彼は自分の異質さに、どこまで気付いていただろうか。

少年はひとりだった。
背中を預ける人が、隣にいる人が定着し辛かった。
ある程度露出が増えると、皆ユニットという名前がついた。仲間が出来た。
少年は片割れを何かに奪われては、また一人に戻っていた。

少年はいつしか、したたかで「できる」人という立ち位置に収まった。
それは彼の人懐こさのせいであり、真面目さの結果であり、ひとよりも多い、慈愛の数のせいだった。
少年はそのうち青年になった。
青年は皆より大きな期待をかけられることになったけれど、その期待に応えられるだけのポテンシャルをもっていた。
「できる人」という評価は周りの目に靄をかけた。
もしかしたら、聖人君子というわけではなかった。
もしかしたら、不器用なところもあった。
思ったことが顔に出たり、うっかり口をすべらせてしまうこともあった。
けれどそれらは大体、うやむやのうちに消えていた。
皆が、本当の青年を見ないふりしているようだった。

青年はたくさんのものをもっていたけれど、いつもひとりだった。
誰も、青年のいちばんになってはくれなかった。
皆、通り過ぎていく。
青年を見ているひとの中には、青年にも仲間が、ユニットがほしいと思うひともいた。


去年の夏も、青年はひとりだった。
喧噪と汗と涙と笑顔をいっぱいに詰め込んだ小箱で、青年は声を張り上げていた。
青年は躍起になって仲間たちを見ていた。
司会という役割を与えられた少年は、火花を散らす仲間たちの一喜一憂を間近で見ていた。
代わる代わる変わる出演者。
けれど、青年はひとりだった。
ひとりで、ずっとあの小箱に閉じ込められていた。
皆が自分に精一杯で、誰も青年のことを見ていなかった。
与えられた職分を果たすために声を張り上げ続けたら、声は枯れた。
苦しくても、青年はひとりだった。
皆が笑いながら、泣きながら、悔しそうに、嬉しそうに抱き合っているのを見続けた。
隣に人はいなかった。
あの小箱に青年は縛りつけられた。
青年はその小箱で、どうしても主人公にはなれなかった。

今年の夏、青年は主人公になった。
仲間ができたのだった。
年が離れた彼らは幼かった。
このチームの中では、皆とフラットに付き合いたいと思った。
だから、敬語をやめさせた。言いたいことを言い合えるように。
仲間は「謙ちゃん」と呼びかけてくれた。
青年は気付いた。
もう一人で戦わなくてもいい。
ためしに寄り掛かってみた。チームはみんな青年を支えてくれた。
行き場のなかった青年の重みは、4等分された。
皆、青年に寄り添ってくれた。青年に似た背丈の、ちいさな5人組は、事あるごとにぎゅうとくっついた。

青年はひとりではなくなった。

「俺を信じて」

青年は本番中のステージでそう呟いた。
仲間が皆、自分を見ている。
「謙ちゃん」と名前を呼びながら、皆が応援している。
一緒に戦っているんだというほの昏い興奮。
去年見ていた光景がリフレインする。この視界は、知らなかったものだ。
上がる呼吸。心音が大きく聞こえる。
けれど仲間は、青年の行く先で待っていた。

一瞬の間。
あがった歓声と、拍手の波。
2度失敗して、3回目のチャレンジの結果だった。
迎えられた仲間にむかって、青年は笑った。
悔しさも綯い交ぜにして、泣き出しそうなのを堪えた。

マイクをもって、青年は「いつも」に戻る。
フラットで、しっかり者で、まとめ役の「安井謙太郎」に。
けれど、そのときは違った。
興奮がまだ身体にまとわりついている。
いつもの癖で、3回も挑戦したことを謝ろうと、礼を言おうと客席に向き直った。
「ほんとみんなあり、」
言葉が詰まる。
この礼を言うのは、こっちではない。
一瞬の間。
青年はあわてて、隣にいた仲間に向き直った。
「ありがとう、」
声は震えた。仲間たちは笑って、青年を抱き支えた。
いつも、が剥がれた瞬間だった。
ひとりじゃないとはこういうことだった。


青年はひとりではなくなった。
喜怒哀楽を仲間と共有する夏が始まる。

Happy Birthday!

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やすいくんの24才のスタートがEXでよかった!
最高の滑り出しっすね!(byじんちゃん)
仲間と一緒にどこまでもいってください!

君になりたい

パンケーキにナイフをいれながら、「あーそれこないだも聞いた」と思った。
いつ聞いたんだっけ。肉をひっくり返してるときだったっけ。口に広がったバターのしょっぱさで思い出す。
そうだ、マンゴー白玉ココナッツっていうてんこもりのデザートをつついてるときに聞いたんだった。
「最近、うみさん人気でてきたんすよ」って。

その予兆はどこで感じてたのか、あんまり覚えていない。
世間がざわつくとか、「見つかった」というほどではない変化。ただ、なんとなく風向きの変化を感じていたのは確か。だからそういわれた反応も「あーそうだろうねえ」だった。内心は、もっといろいろかんがえていたのだけど。

うみさんのこと。
じわじわひたひた、水が満ちるみたいに人気を広げている人。
今までは人気がなかったっていうより、めちゃくちゃ濃いメンツの中では上手く前に出てこれていない子っていう印象があった。もちろん存在感も、無視できないオーラも持ち合わせてるんだけれどもそれはトラジャっていう狭い箱庭の中での話で。リアル「よりどりみどりで迷っちゃう」状態のジャニーズJrの中では、まあなかなか、見つけ出しづらいよねっていうのもその通りで。
じゃあ、「あーそうだろうねえ」の根拠はどこかって考えたら、多分全部ステージにあったんだと思う。
2年前のクリエ、その後のプレゾン。担当が別にある身の割にはうみさんを見る機会は少なくはなかった。
トラジャには視線泥棒がたくさんいて、みんな思い思いの方法で視線を奪っていくわけだけれども、うみさんの奪い方は少し違った。
ダンスの一瞬の間。ふと落ちるその変な隙間。そこでうみさんはしまった!って顔をする。本当に一瞬、目がぱちっと開く。あ、間違えた。テンポが遅れてる。ぱっと泳ぐ視線。振り落ちしたんじゃないかこの子、と思う。それはすぐさま確信に変わる。宮近とも、しーくんとも、朝日とも違う動きをしていて。しれっとしてればいいのに、腰を落とすときに一人だけ落ちていない。ぽかっと取り残された不自然さの真ん中で、一人「しまった!」って顔をしていた。

不快だとは思わないのが不思議だった。気を抜いてるわけじゃないことがわかったからだと思う。
ふざけてて、手を抜いて踊ってたら腹も立つんだけれど、そんなことないっていうのがなぜかわかった。それはもう感覚的なものだから、言葉を尽くしても足りないんだけれど。
ここでまた間違えた、とかそんな楽しみ方をする気にもなれなかった。口をへの字にして、ぎゅっと一瞬強張る。がんばれよ!って声をかけたくなる表情。
かと思えば、すごく浅はかな部分もある。ニッコニコと笑ってステージから客席を見回すというのに、そのほんの数分後、激しいダンスの曲中でゾンビみたいな、生気のない顔で踊ってて。
えええそんな顔する?!マジか?!って、逆におかしかった。だって、これからすっごいしんどいダンスが待ち構えていたら、わたしだったらちょっと省エネになってしまう。顔がこわばってしまうかもしれない。
まるで、8/30まで宿題をしていなかった小学生のような、お小遣いをもらったその日に全部ぱーっと使い切っちゃうような浅はかさ。かわいいなあ、この子。この隙の多さは、男の子特有のものだ。

なんともいえない子だなあと思う。
冷静に考えてみれば、彼の境遇っていつも「ちょっと足りない」のだ。ドラマに一人だけ呼ばれなかったり、なかなかみんなが出ている番組に出れなかったり。
けど、広がった。彼の人気の出方はなんとなく、蒔いた種が開いたかのような感じ。
それは洗練されていくルックスかもしれないし、段々と「かれの楽しみ方」がわかってきたおたくのモードかもしれない。

今、人間(というか日本人)が一日に触れる情報量は、インターネットの台頭によって爆発的に増えている。けれど、それを処理できる量は今も昔も変わっていないんだそうだ。
たぶん昔よりも人の趣味は多様化したし、暇つぶしだってたくさんある。
むかしのアイドルが栄華を誇ったのは、娯楽が少なかったからというのも言える。
いま暇つぶしをしようと考えたとき、たくさんの選択肢がある。
その中でアイドルを、ジャニーズを、その中でさらにジュニアの、中村海人という彼に突き当たるまで、いったいどれだけの選択があるだろう?
カメラがフォーカスをかけるみたいに、ぼやけたピントがしっかり合うその瞬間。
うみさんに関しては、じわじわとした認知がきっかけだったのではないか。
遭遇が出てみれば「あと一人誰かいた」の「誰か」に括られる彼。
なのにエピソードはひとつひとつキャッチー*1で、中村海人の楽しみ方は、思うにインターネットで爆発したのだと思う。
狭い世界のファンコミュニティで、エピソードが悠々と泳いでいく。現場にいったときに「あの子!」と思った人もいたんじゃないだろうか。
そもそもはちいさな顔に長い手足。すこしふくよかだった頬も、成長と共に精悍になっていった。

「見つかり方」ってきっと人それぞれで、たとえば発言がいちいちおかしい*2とか、伝え聞くエピソードがやばい*3とか、たくさんたくさんあるんだと思うんだけれど、うみさんの場合「きっかけ」というお膳立てを活かす実力を本人が身に着けたのかなあと、そんなことを思った。

まあそんなこといってても一番はうみさんの現場求心力の強さなんだと思うんだけれどもね…つい目が行っちゃうもんなあ。
「見つけた」感を刺激する、フェチズムに溢れた男の子の進撃の物語。

*1:おいなりさんもそうだし、あの危うい前髪もそう

*2:健人さんの握手会芸

*3:戸塚さんの奇行

ジュニアの乙女ゲーを考えてみた。「むしょぞくの☆プリンスさまっ」

無所属の☆プリンスさまっ
私立蛇煮図高校に通う主人公。一年に一度の文化祭が盛り上がるこの学園では、学祭での出し物で学校中の人気者になれるチャンスがあった―――。
有志の出し物のユニット決めにあぶれてしまった彼らが集まって、文化祭でダンスの出し物を成功させるっていう設定です。

主人公は無所の彼らをせっせと集めてユニットを作ります。
そして曲決めたり衣装用意してあげたり練習場所確保したり、たまに喧嘩するのをいさめたりしてユニット持ち(すの・トラ)に勝つのをサポートする役目。

一日の中で行動を決めて、攻略対象に話しかけたりします。
朝:登校時間(はやい・ふつう・ギリギリ)を決めて登校。
各攻略キャラクターはこの3つの中のどれかで登校しています(たとえば目黒の場合、サッカー部の朝練があるのではやい登校)(誰に会うかはランダムだけど、親密度が高い子が優先)
一緒に登校をすると攻略キャラの話が聞けて、そこから攻略のヒントがわかる上、対象の親密度があがります。

昼:ご飯を食べるところ(教室・屋上・校庭・食堂・体育館裏)を決めます。
各攻略キャラクターはこの中のどこかにいて、ごはんを食べたり自主練してたりします。
昼休みじゃないと起こらないイベントなどもあり。親密度が高くなると、主人公からお弁当の差し入れが出来るようになり、攻略対象の好きなものを入れると親密度が上がります。

放課後:3回の練習が可能。練習の種類は、「楽曲練習」「個人練習」「全体練習」の三種類。
楽曲練習…パフォーマンスをする曲の決定・振り付け・衣装を決めて作る。たとえば激しいダンスナンバーなのに踊りにくく重い衣装を作ると、本番での評価が下がってしまう。
また、各自好きなモチーフがあるので、それを取り入れると親密度がry
振付と共にセンターも決めれます。センターに置かれた人とは無条件で親密度が跳ねあがる仕様。
個人練習…楽曲練習で楽曲理解度(ここでいう理解度っていうのは曲覚えみたいなものです)を満タンにしたら、個人練習のターン。基本的に曲が決まれば各自自主練をしてくれるけれども、個人練習をすることで、理解度を大幅にあげることができます。もちろん親密度もあがります。
個人練習にはダンスと歌があり、両方バランスよくあげないと、本番での評価が下がります。
全体練習…全員でのリハ的なもの。これは校内の至るところでやることで、生徒たちの話題になることを狙います。生徒たちが集まる前で全体練習をすると、パフォーマンスを見た生徒たちは本番を見に来てくれます。ただし、理解度が足りてない状態でやってしまうと、本番にくる人を減らすことになるので要注意。

そうやって曲を仕上げて本番に至るまでに、攻略対象たちと恋をするゲームです!
(※タイトルはうたプリっぽいけどゲームシステムは金色のコルダです)

攻略対象
長妻怜央(高校1年生)
バスケ部期待の新人。ダンスやったことはなく、どちらかというと大人しいタイプだった。顔のキレイさが入学早々話題になり、グループに入ってくれる人を探していた主人公につかまってしまう。ダンスも歌も初期値は低いが、スター性は高い。特定の誰かとシンメにすると効果があがる。
「ダンス…するのは良いんですけど、一個だけ条件があります。聞いてくれます?」

目黒蓮(高校2年生)
主人公の幼馴染。目を惹く長身。サッカー部所属。大型犬わんわんお。文化祭より部活が大事と打ち込んでいたところ、サッカー部が公式試合に出れなくなってしまう。落ち込む目黒のために、主人公が文化祭でのダンスを提案する。これが全てのはじまり。初期値から親密度が高い。しかしツンデレなので選択肢を間違えると面倒なことになる。
「別にお前のおかげとかおもってねーし。おもってねーけど、どうせなら優勝してやるよ。どうせだからな!」

原嘉孝(高校2年生)
主人公と同じクラス。テンション高めのムードメーカーだけど、人の気配に敏いしっかり者。情に熱く、感動してすぐ泣く。試合に出れなくなってしまった目黒を心配し、どうにか元気づけようと主人公に文化祭のダンスバトルの提案をする。ライバルチーム「Snowman」に憧れている。ダンスの初期値が高いが歌はレベルがあがりにくい。
「でもさ、全力でなにかに打ち込むって、絶対いい思い出になるし。おまえがいないと俺たちバラバラなんだから、頼むぜ!」

・寺西拓人(高校3年生)
サッカー部で目黒の先輩。サッカー部は夏で引退したので、今回の試合出場停止にはかかわっていない。実は趣味でダンスをずっとやっていて、今回は凹んだ後輩のためにひと肌脱ぐことに。ダンスの初期値は攻略対象の中で一番高い。年下になめられがちなフランクな先輩。
「よーっし高校生活ラストにいっちょキメてやるかー?!」

・森継亮太(大学1年生)
卒業した先輩。主人公が高1の頃に一目ぼれした相手。OBとして無所プリのダンスに参加する。無表情だけどうるさい。在学中は色んな武勇伝を作ってきたが、どこまで本当かわからない。
「え、おれもやんの?!まじかー。ま、いいけど。暇だったしね」

岸孝良(大学4年生)
蛇煮図高校に教育実習でやってきた。原と主人公のクラスを受け持つ爽やかな先生。腹黒そうと評判(?)。歌の初期値が高く、センターに置くとメンバー全員の楽曲理解度がボーナス加算される。激しいダンス曲よりジャズ曲を好む。
「やるからには本気でっていうの、俺好きだなあ。頑張ってる子も、ね」

その他
・やっすー店長(?)
主人公お気に入りのカフェ「狸穴」の店長。年齢不詳だけどなんでも知っていて、攻略対象のヒントと、裁縫を教えてくれる。
・はぎちゃん
「狸穴」のバリスタ。コーヒーが飲めないやっすー店長のために美味しいコーヒーを淹れてくれる。主人公に料理を教えてくれる。
・モロ
「狸穴」の常連。実はダンスのインストラクターをしているらしい…?主人公に振り付けのつけ方を教えてくれる。


あとはライバルになるトラジャ・すのも。
トラジャ・すのルートは無所ルートをクリアしないと見れません。
(トラジャルート解放には目黒を、すのルート解放には原を攻略する必要あり)

海外からやってきた特別講師トラヴィスが選んだメンバー、トラビスジャパンで文化祭の出し物でダンスすることに。
主人公は無所側の人間なのでライバル関係です。
梶山朝日(中学三年生)
中等部ながら遊びに来ていた高等部でトラヴィスの目に留まりメンバー入り。大人びた風貌だが、普段は繊細でちょっと傷付きやすい。
「てめーはライバルだからな!話しかけてくんじゃねーよ!」
宮近海斗(高校一年生)
トラジュのエース。ひょうきんな性格。いろんなところに現れては主人公に声をかけてくる不思議な子。
「あっれっれー先輩!マジぐーうぜん!いやまじで!」
阿部顕嵐(高校一年生)
すらりとした長い手足にふわっとした性格で男女ともに人気。なぜか主人公を気にした態度をとり続ける…
「えっ、あっ、べべつになんもないですよ?ついていったり、してません!」
中村海人(高校一年生)
教育実習で作ったカップケーキをひょんなことから食べられてしまったことから、屋上でこっそり話しする間柄に。
「へえ、これ先輩が作ったの?俺が食べてあげる」
・森田美勇人(高校二年生)
トラジャのダンスエース。気さくな人柄で学園の人気者。上からは弟みたい♡下からは頼りがいのあるお兄ちゃん♡と人によって態度を分けることが得意。
「文化祭は、俺がどうにか成功させて見せるから…君は君で、頑張って」
七五三掛龍也(高校二年生)
特待コースの不思議ちゃん。保健室で授業をさぼってるところで出会う。近寄りがたいと思いきや、話してみると意外と話しやすい。
「俺たち、プライド高いのよ。だから君の力は借りない」
吉澤閑也(高校二年生)
クールで潔癖で少し冷たい印象を受ける。けれど実は面倒見のいいやさしさを持つ。主人公には一番心を開くのに時間がかかった。
「…別に、それって君に教えなきゃいけないこと?」
川島如恵留(高校三年生)
生徒会長のお坊ちゃま。成績優秀でお育ちもいいが少し腹黒いという噂も…
「困ったことがあれば、なんでも俺に言って。力になるから」
・仲田拡輝(大学一年生)
高校在学中からふらっとどこかにいなくなる、つかみどころのない性格。主人公が無所プリの関係者だと知らずに仲良くなってしまう。
「ま、悲しいことがあったらさ、とりあえず笑っとけばなんとかなるっしょ!」

校長の秘蔵っこ、Snowman。練習量もダンスの上手さも段違いの、最強のライバル。
みんな同い年の6人組。
阿部亮平(高校三年生)
学校一の秀才。文武両道を地で行く。すのの中では目立つタイプではないものの、振り覚えの速さと忘れなさは誰も叶わない。けれど、誰にも言えないコンプレックスがあるみたいで――?
Snowmanだってこと、たまに逃げ出したくなるときもあるよ」
・岩本照(高校三年生)
校内でその名を知らないものはいない、ダンスもアクロバットもこなすオールラウンダー。強面だが、主人公が作ったチョコをうっかり食べてしまってから主人公には頭が上がらない。男女共に怖がられていることを気にしている。
「別にいいよもう、怖がられてんの慣れたし。そんなことより、ダンス連ちゃんとやってんの?」
佐久間大介(高校三年生)
すのの中では一番当たりがやわらかく、元気なバカ。すごくバカ。どれだけバカかというと、放課後補習が多すぎてダンス連に参加できないレベル。けれど踊り出すと曲の特徴を捉えて空気感を作りだすことができる。
「考えるとわかるよ。この曲は何を言いたいのか、お客さんになにを伝えたいのかって。そう思って踊るだけ」
・深澤辰哉(高校三年生)
飄々として掴みどころがない。激しいダンスも、激しさを感じさせずに踊るという特徴がある。実は気さくだが、主人公たちとは対立していた関係で話す機会がなかった。実は優しくておっとりした人。
「なんかすげーなあ。おれたちにかなうわけないって、正直ばかにしてた。けど、本気でやらないとまずいってわかったよ」
宮舘涼太(高校三年生)
クールで落ち着いている。幼馴染の翔太と常に一緒にいるが、口数が少なくミステリアス。とあるイベントを済ませると急激に仲良くなれる。
「…おまえらがずっと踊ってたおれらにかなうと本気でそう思ってんの?」
渡辺翔太(高校三年生)
主人公たちにライバル心むき出しで一番怖い人。すのーまんが怖い印象をもたれてるのは大体この人のせい。校長に恩があり、校長のために理想のダンスを見せたいと頑張っている。滑舌が悪いが歌の初期値は高い。
「んな、ポッと出のおまえらのことなんて認められるわけねえだろ」

っていう!っていうこんなゲーム!やりたい!(長々と…)
マジでこれどこにもってったら作れる?!企画書書く?!ねえ?!

手の届かない夜空へと

やすいくんのことを考えているとき、わたしはやすいくんのことを「文学なのだ」と思います。

 

ひらくと閉じる、って、なんのことだか知っていますか?
文章を書くときに、漢字を使わずにひらがなを使うことを、漢字を「ひらく」といいます。
大学でわたしは文章を書く勉強をしていて、わたしが提出したコラムを読んで、教授が言ったのでした。
「あなたはひらくのが上手ね」
わたしには思い当たるふしがありました。 
 
大好きな小説に、こんなセリフがあります。
とっても美しい外人の男の子のセリフです。
「日本語って視覚的にゴージャスな感じがしていいですよね。漢字は贅沢な絵みたいだし、ひらがなは無邪気で色っぽい」 ー恩田陸/麦の海に沈む果実

本来、ひらがなは女性のものといわれていました。ひらがなを女手、漢字を男手と呼んでいたのです。

なんでかというと、遥か昔平安時代、ひらがなは物語や随筆を書くのに用いられました。物語や随筆は、ひらがなの方が読みやすかったからです。そして、論理的思考や、訓話などを表現するには、漢文で書かれることが多く、漢字を用いていたのです。
物語や随筆は女性が、訓話や論理的思考の文章は男性がよく書いていました。昔々紀貫之は、女性になりすまして*1土佐日記を書きました。文章だけでなく、ひらがなで書くことで女性を表したのです。
 
わたしはやすいくんの話をするとき、わざとやすいと漢字をひらきます。安井というよりやすいの方が、なんだかやわらかな雰囲気の彼っぽいと思うからです。
前述の、麦の海に沈む果実の中で、ヨハンは「ひらがなは無邪気で色っぽい」と言いました。その通りだと思います。「麦の海に沈む果実」を初めて読んだ中学生のころから、ずっとこのセリフが頭に残っていました。
ひらがなのやわらかく、まるいフォルム。甘いのにどこか毒のあるそれ。その感覚はまさしく、わたしにとってのやすいくんにぴったりでした。だから、できるだけ彼のはなしをするときは、漢字をひらいて紡ぎたいのです。
ただ、漢字をひらきすぎると、とっても頭が悪そうに見えます。あとはわかりにくかったりします。日本語は同音異義語がたくさんあるので、着くのか付くのかつくのかわからないことがあるのです。
 
やすいくんのことを考えるとき、とても抽象的な映像をおもいます。
やすいくんという対象から与えられるイメージの数々です。
そのような抽象的なイメージの断片を、どうにか彼へつなげる形容詞にするために、わたしは色々と考えを巡らせています。
 
前に、やすいくんからイメージされる単語を教えてくださいというaskをいただきました。

満月の夜の海/ライラック/ハルディン・ホテル/赤い車/夜空みたいなコート/おおきな帽子/マカロン/タイプライター/床に零れた赤ワイン/chloe/ピンキーリング/金平糖/キャラメルマキアート/ランコムのマスカラ/姉/おふとん/母親/短い爪/双眼鏡/高層階/玉座/杖/ノースリーブ/慈愛

これらが、やすいくんのことを考えると出てくる断片的なイメージの数々。

そういうものを拾い集めては、どうにか自分の見ている彼を形容しようと考えています。

ですが、Hクリエで至近距離でやすいくんを見たとき、わたしはなんだか、とてもとてもどうしようもない気持ちになりました。

「やすいくん、やすいくん」とうわ言のように声に出して、たぶん聞こえていなかったと思うような距離なのに、やすいくんの、あのまんまるの目がわたしを捉えた。

アイドルと向き合うと、自分がどうしようもなく矮小なものに感じられます。圧倒的な美しさや眩さに、くるしいと思ってしまうからです。

けれど、やすいくんを見たときはそんな気持ちになりませんでした。形のいい唇のはしっこをちょこんともちあげて、わたしに手を伸ばした。

数あるハイタッチのひとつ、たかがそれだけなのに、頭の中の断片的なイメージの数々が瞬く間に書き換えられていく心地がしました。

頭の中が真っ白になる、とは間違いなくこういうことを言うのでしょう。いや、黒だった。やすいくんの着ている白いシャツの衣装と、真ん丸で黒い、吸い込まれそうな瞳。その瞳がフォーカスされて、塗りつぶされていく。

クリエが終わってから、あれはなんだったのだろうと考えます。

言葉をどれだけ探しても、対面したあの黒をあらわす言葉がない。それについてわたしがどう思ったのかも曖昧。ただあのほんの一瞬の出来事は、公演から一か月経ったいまでも、夢に出てきますし、ふとした瞬間にリフレインします。

 

漢字をひらいて、やすいくんのことを考えてどうにかこうにか言葉にする。文章にする。言葉にしてしまえば、その感覚はわたしのものになるからです。やすいくんをわかったつもりになりたくて、わたしはたくさんの言葉を考える。わたしの中でやすいくんは、文学なのです。

しかし、言葉とはあまりにも無力でした。やすいくんのあの黒々とした瞳は、悠々とわたしの言葉を食べてしまいました。

 文学ではないのだ、このひとは、そんなに御しやすいひとではない。
 
やすいくんを思うと、やすいくんはいつも笑っています。
とても優雅に。優しく。
けれど、その眇めた目の中には、ひと匙の毒が混じっているのです。
 
 

*1:男もすなる、日記といふものを、女もしてみむとて、するなりってやつ

神様にあいされた男の子/はぎちゃんのはなし。

今までは、萩ちゃんをしっかり見る機会がそんなになかった。安井くんのシンメの位置にいるとどうしても。
だけど今回、クリエで客席に降りてきた萩ちゃんを、お立ち台に立つ萩ちゃんを、近くで見たら、もうものすごかった。
太陽みたい。ぴっかぴか輝いて、にこにこ笑っていた。その陽のパワーたるや。綺麗な顔で、汗も、ライトも、全てを味方につけたような顔で立っている。
圧倒された、と言ってもいい。萩ちゃんは確実に、安井くんとは別のオーラを纏っている。
神様に愛された男の子。ただひたすら、美しい男の子のはなし。


5/24 昼公演のシアタークリエ。
MCのお題「もしもメンバーの中で入れ替わるなら」で、孝良が言った回答は、萩ちゃん。

「俺は萩ちゃん。だって、萩ちゃんは人生をすごい謳歌してるから」。

それを聞いた萩ちゃんは、おっきい目をまんまるにして、それからぱちぱち、と、星が散るみたいに数回瞬きして、そうかなあ?って言った。
たぶん客席も、きっとステージ上のみんなも、「あー」って感じだった。それが、なんだか不自然な感じ。
言われた本人だけが、ぽかんとしている。そんな不自然。

人生を謳歌してる。それは言い得てすごい妙で、そして何より萩ちゃんにぴったりな形容だと思う。
謳歌。謳歌ってどういう意味だろう。そう思って、帰って国語辞書をひいてみた。

1 声を合わせて歌うこと。また、その歌。
「或は之を諷詠し、或は之を―し」〈柳河春三編・万国新話〉
2 声をそろえて褒めたたえること。
「世は名門を―する、世は富豪を―する」〈漱石・野分〉
3 恵まれた幸せを、みんなで大いに楽しみ喜び合うこと。
「青春を―する」「平和を―する」

たぶん、孝良のニュアンスを汲むなら、「楽しんでいる」(しかも全力で、とつけたい)という感じ。
人生を全力で楽しんでいる。意味としてはきっと3に近い。恵まれた幸せを、楽しんで喜び合う男の子。
すごくいいなあ、と思った。しっくりきた。謳歌するという言葉があれだけぴったりなひとは、きっとシアタークリエの中だったら萩ちゃんが一番だと思う。

それがすごく心に残って、「いいなあ」と思いながら迎えた次の日。
Hクリエの最終日の最終公演。
萩ちゃんはちょっとそわそわして、目をキラッキラさせて、「小川が弾いてるこのアコギ、実は俺のなんだ」って言いだして。
(※MC終わりに日替わりでアコースティックタイムがあったのです)
へええ、萩ちゃんギターも弾くんだねえ、なんて思ってたら、「俺も弾いていい?」って言って、アコギを抱きしめてみんなに聞いて、あーいいよいいよそりゃあそうだよねうんうんどうぞどうぞってキレイな感じに収まって、なにやる?つって、萩ちゃんが「尊敬してる先輩の、夜空のムコウで」っていって。
緊張するなあ!って萩ちゃんがそわそわして、爪弾いたアルペジオ。それはひどく不安定で、もう聞いててもまちがった!っていうのがわかって、客席もちょっと笑っちゃって、けど演奏は止まらなくて。
「あの頃の未来に僕らは立っているのかなあ」
クリエという小箱の最終公演に歌われるにはセンチメンタルすぎるそれが流れ始めた。
アコギはアルペジオからコードになって、萩ちゃんは懸命にジャンジャン弾いて。
わーすごい!頑張ったね!ってモードになるステージ上のみんなを、思いっきり止めるみたいに「くやしい!」って言い放った。
もう安井くんを筆頭にみんなめっちゃ甘やかしモードだったんだけど(安井・翔希・みゅうとに至っては萩ちゃんの頭を撫でようと雪崩れかかってたレベル)、萩ちゃんはそれでも、「くやしい!くやしい!」って。
安井くんは最初すごい、なんていえばいいのか難しいけれど、なんだか不思議な顔で笑って、何度もくやしい!を口にする萩ちゃんに、今度はすごい優しい顔で目を眇めた。
安井くんは「いいもの探し」の天才だと思ってる。「甘やかし」の天才でもある。上手いね、えらいね、よくできたね、って、惜しみなく与えてしまう人。だから、萩ちゃんをたくさんたくさん褒めて、わーよかったね、ってMCを締めたかったんだと思う。本当は。
けど、相手は「人生を謳歌している」萩ちゃんで、そんな安井くんの打算なんて簡単に吹き飛ばしてしまうわけで。
「楽屋でもう少しできたんだけどなあ!」とか「こっそり練習してたりしてたの!で、できる気がして!」って、興奮して言って、それを見てるやすいくんが、段々すごい、優しい優しい顔になった。たぶん裏側を知ってたからで(不協和音聞かせてたでしょ?と萩ちゃんがいってたから多分見てたんだと思う)いつもならできるんだよ!って言いたい気持ちも、よくわかったんだと思う。

安井くんが優しい顔になるのにはきっと理由がある。ここから先は「そうかもなあ」という想像の域を超えないので、ほんと、おたくのたわごとだと思っていてほしいんだけれど。(今更な言いわけだけれども)
やすいくんは自分のことを、「なんでも平均点以上がとれるけど、突出したものがない」っていっていた。そつなく器用にこなせる人。それは担当やってても思う。ダンスだって歌だってトークだって、だいたいこなせます、という人。
だから、きっと多分、萩ちゃんの一生懸命さとかひたむきさっていうのが、眩しくって眩しくって仕方ないんじゃないかなあ、って。
自分ももちろんギターを弾くには練習をするわけで、けれどそれをやったときに、安井くんはきっと萩ちゃんみたいに「くやしい!」って、「もっとできたんだよ!」って言うことが出来ない。かける情熱の、温度の問題。
もし自分だったらここまで悔しいと思うかな、わくわくした顔で、これが弾けたらみんなどんな顔するだろう?びっくりするかな?って、邪気のない気持ちで、そう思って選択はきっと、しない。

だから、安井くんは萩ちゃんに「向上心の塊だよね」って言った。嫌味のない言葉だと思った。
くやしい、をまき散らしてた萩ちゃんはだんだん落ち着いてきて、「やりたい、っていってみんなが対応してくれて、お客さんも見守ってくれて」って言って、続く言葉で「ありがとうございます」って言って。
素直ですごくすごく可愛いなあって、その輝きがあまりにもキラッキラしてて目が眩む。

安井くんはそんな萩ちゃんをひっくるめてこういった。

「はぎちゃんってさ、人を幸せにするよね」

それを聞いて、「わあ!」って、思わず声が出た。
萩ちゃんは人生を謳歌する男の子。
「恵まれた幸せを、みんなで大いに楽しみ喜び合う」男の子。
多分やすいくんがそういったのは、完全にただの偶然なんだけれど、パズルのピースがカチっとハマるみたいな気がした。

前に萩ちゃんはポポロで、この世で一番怖い人というお題で安井くんの名前を出してた。

ヤッスーは敵に回したら怖いんじゃないかなって(笑)。番組でもライヴでもスゴイな~って思うことが多くて、頭が切れる人だから。いっしょにいて怖いんじゃなくて、いなくなったら怖い、困る人だよ。

      • ポポロ 2015.6

これを読んだときすごく意外で、なぜかはぎやすというシンメは、お互いにほとんど干渉していない印象があって。
そういえば前に、ドラマの撮影で涙を流すシーンでも「やっすーがいなくなることを想像して涙を流した」って言っていたなと思い出す。
普段そうは見えない(わたしには全然見えない)んだけれど、萩ちゃんは萩ちゃんなりに、安井くんを大事に思っているのかなあと。
安井くんが目を眇めて、優しく笑ったように、萩ちゃんもどこかで、安井くんを途方もない気持ちで見つめることがあるのかなあと、そんな風に思った。
光が強くなれば、影も深くなる、っていうように、はぎやすはお互いに上手く作用してリンクする二人なのかなって(それはすごくわかりにくいほのめかす程度のものだけれど)

人生を謳歌する、幸せを振りまく男の子と、シンメでよかったな~~~!(幸せオーラをいただきながら)

花に嵐の喩えもあるぞ

寺西拓人という存在を知ったのはいつだったか。
瑞生くんのシンメ、タイトなパンツを履いてる、エロい顔のお兄さん(年下なんだけど)。
瑞生くんを知って好きになったのはJJLで、踊る瑞生くんを見るまで少しタイムラグがあった。
踊るその向かい側に、いつでも寺西がいた。
シンメって、もしかしたら一番目に入らない存在なんじゃないか、っていつも思う。だって自担の端にいるわけで。シンメが踊れば自担も踊ってるわけだから、わざわざ自担から目を離して双眼鏡を向けないと絶対に目に入らない。

寺西と瑞生くんのことを、北風と太陽って喩えてた。
寺西はもう見るからに危なそう(この危ないというのはひょいととってもぐもぐ食べて飽きたらポイってされそうという所謂チャラそうな意味で)で、瑞生くんは普通に見たらきらきらと明るくて純粋そうで、けれどたまに見せる表情がセクシーで。
寺西は最初からオンナが警戒しそうだけど瑞生くんはしなさそう。だから北風(寺西)と太陽(瑞生)。
ダンスもルックスも、全然違うのにいきなりシンクロして、こいつらシンメだ~!と思わせる不思議な力をもった二人。

瑞生くんが辞めてしまって、寺西は今、長妻くんと踊ってる。
セクシーファミリーにぶっこまれて、キラキラしたセクゾンの曲をいつもの苦笑いがまざったような笑顔で踊っていて、なんか変。なんかちょっと違う。こんな健康的なの、拓人らしくないなあって思ってた。いやかっこいいんだけどね。
知らないシンメ、知らない振り付け、知らないことばかりのところにいってしまう。私はまだ、瑞生くんと踊る寺西のことばかり考えているというのに。
とおいなー、って思った。横浜アリーナのセクゾンコン。知らない寺西だ、当たり前だけど。新しいシンメの子は、タイプも見た目も似ているね。ダンスの系統もちょっと似てるのかな。
それから少し、さみしいなあ、って思った。
もし、彼が辞めてなかったら、そこにいるのは、一緒に踊ってたのは瑞生くんだったのかな。
なにをいったって仕方ない。ここは「そうじゃなかった」未来のひとつ。てらみずシンメがまだあって、二人が踊る未来もきっと、どこかにあったはず。数あるパラレルワールドの一個。複雑な事象が重なって、わたしの目に映ることになったそれ。
たらればを言うのは好きじゃないけれど、けど言いたくなる。どこかにあったはずの、もしかしたらあったはずの未来。

けどそれが、本当に寺西にとっての最良なのか?っていったら、どうなんだろう。
おたくの数ほど最良がきっとある。わたしの最良と、ほかの子の最良と、寺西の最良はきっと違う。
寺西の「ベスト」がどれかわからないけれど、今この状態を寺西にとっての「ベスト」にしてあげられるのは、多分おたくの役目なんだと思う。

はっきり、たぶんれおれおに嫉妬してた。キレイでかっこよくて、若くてぴちぴちしてて、花道を歩くとおたくがバタバタ倒れそうな色気をもった、おなじ「北風」の男の子。
翳った太陽の代わりにやってきた新しい風。

たくさんあるさよならのうちの一つ。ジュニアを応援するっていうのは、こういうこと。諸行無常だ。うちわを振って、大好き!と思った子たちはひょんなことでいなくなる。それもすっごく簡単に。
わたしはまだ囚われて、些細なことで思い出して、悲しくて泣きだしたくなる。大好きだった瞬間を、いくらだって見ていたい。前を向く彼らの足を引っ張ることになると知りつつも。

いつか、いつだったかな、寺西が49に出るって発表があってすぐの少年収のメモに、「おいていかないで」って書いてあった。
シンメから離れて、前でマイクをもって歌う寺西をみて、どうしようもなく淋しくて悲しかった記憶がある。

安寧なんてないし、猛スピードで物事は進む。けれど、あともう少し、まだもう少しだけ、ここで座り込んでいたい。
確実にあった、あの瞬間を、まだもう少し夢見ていたい。


「花に嵐の喩えもあるぞ/さよならだけが人生だ」

眼光、鋭くなって(パート2)


誰がどこについて、幕開いたらいたよいないよって一喜一憂するのは本当ジャニヲタの性なんだと思うんだけれども、今回のTheyクリエほど「私得!」っていうバックは無かったんじゃないかなって思って。

あ、またもやですけど、They武道クリエの話です。
(そしてこれはThey武道クリエについて思ったことを、3つの切り口で書いてみようとおもったうちのふたつめです)

なんでだか本当にわからないんだけれど、3月にクリエが発表されてすぐ、なんとなく嘉孝がTheyのバックにつくんじゃないかって思ったんです。これは本当にただの勘というか、ついてほしいという希望だっただけなんだけれど。
They武道自体は雑誌でバックがつくことを教えてくれて、けど少ない情報だったから誰がつくだなんてわからなかったんだけど、けど何故かわたしは嘉孝がきっとつくって思った。今思うと、嘉孝たち以外に適任がいないじゃん!と思ったのかもしれない。
Theyの作り出す、細かい音までとった、息もつけないくらいのダンス。あれにしがみついて踊ってみせれるの、今の嘉孝たちならできるじゃん!って。
結果、本当につくだなんてわかんないし、誰がついたってきっと楽しいからと自分に言い聞かせて、わたしはクリエの席について。
3曲目、ハルカナ約束は赤いスポットライトで、「今日一緒に頑張ってくれるメンバーを紹介するぞー!」ってはやしくんが叫んだ、そこに嘉孝たちが立っていた。
ちょうどわたしは下手の席で、下手のせりあがった部分に嘉孝が立っていて、すっごい不敵に笑って客席を見下ろしてて、まるで「びっくりした?」って聞かれてるような、「まってたでしょ?」って言われてるような。
待ってたよ、ここに立ってほしかった。ぜいのバックで踊るおまえらなんて、かっこいいに決まってるじゃん!もう!って思って。
そしたら本当に、やっぱりかっこよかったんですよ。知ってた。知ってたけど本当に。
FightingManでガッシガシ踊り始めて、あーこれは、と。すげええげつない振り付けだな!*1って。
食らいつくっていう表現が一番しっくりくる。いつもポーカーフェイスの森継も、しれっとした顔の拓人も、珍しく、ちょっと固い顔で踊ってた。たぶん閉じた口の裏側で、固く歯を噛み締めてるんだろうなっていう。そうじゃないと置いていかれちゃうんだ。

息つく暇もなくバックの名前を呼びあげるメンバー紹介ダンス。
森継の名前をコールして踊って、目黒が踊って、目黒の股の間からえだちゃんが顔を出して、そしてびょこんと抱き付いて(ここ身長差たぶん20cmくらいある)、拓人が踊り出して、はやしくんがそこに入っていって、お姫様抱っこをして。てらばやし、とコールされた二人とハイタッチして嘉孝が前に出てくる。ぎらぎらした目線。けど口端は持ち上がって笑ってる。りょーちゃんが後ろからやってきて、馬跳びしたいけどお前でかくて飛べねえよって怒って、亀みたいに屈んだ嘉孝をぽーん!と軽やかに飛び越えてダンスが終わる。
多分、多分きっとだけど、普段なかなか現場が被らない*2、しっかりバックになんかついたことのない後輩たちを、どうしたらお客さんに受け入れてもらえるかって考えてくれたんだと思う。ただのバックではない、踊るだけが仕事じゃない。バックも含めてThey武道の公演で、このフライトの乗組員なんだって言ってくれてるみたいで、本当にうれしかった。
全員、本当に上手にバックを使ってくれていて。
りょーちゃんはLove yourselfで自分の周りを囲むようにバックを配置して。ちっちゃいメインのりょーちゃんと、平均身長178cmという驚異なでかさのバックたち。これがほんと、ばかみたいに難しいダンスで。指先、足の先、りょーちゃんとの距離感、全てにおいて、今じぶんがもってるテクニックの全部を出してこいっていうような、すっごいダンス。なのにそれが終わってもう数秒後には、着ていた衣装の上着を脱いで次の曲の演出のために嘉孝はステージに立ってる。
二日目からMCに参加させてくれて、お立ち台にも立たせてくれて。何回も名前を呼んでくれて、「もっと前においで」って声をかけてくれて。They武道の公演なのにね。すごいバックの四人のことを考えて気を使ってくれて。けど、でも、バックの四人も、その分出せる力は本当に全部、からっからになるくらい出した、とおもうの。私的には。
こんなにしんどそうな、苦しそうな、けど楽しそうなギラギラした顔、そうそう見られないんだよ!

森継と、寺西と、原と、目黒。
総無所属時代って呼ばれて久しい昨今。昔はユニットに属していない子を探す方が大変だったのに、今は逆にユニットに属している子の方が少ない。安井くんだって萩ちゃんだって増田様だって言っちゃえば無所属なわけで。
けど、ある程度ジュニアに詳しい人なら、「無所属」って呼ばれて頭に浮かぶのは大体ここのメンツ。ちょっと前まではここに、寺西の隣くらいに瑞生くんを思い浮かべる人が多かったと思う。それが無所属、所属が無いって書いて、無所属。
ふわっふわしてて、フッて吹いたらぱっと消えちゃうような子たち。
墓場って呼ばれてた嵐組から這い出てきてしれっと少クラに出れるようになった森継。
唐突に49に大抜擢されて、おかげで当時の無所属のラインからポンと抜けちゃって宙ぶらりんになって、何故かセクシーファミリーに入れられた拓人。
二人でずっと、ただただひたすら場数を踏んで、経験値が人気になって跳ね返ってきて、ドラマまで出してもらえるようになった目黒と原。
ここから寺西が抜けたり、たまに森継がいなかったり、どこいっても目黒と原は一緒だったり、じわじわ立ち位置が良くなって、けど。
ずっとわたしは、もういなくなったあの子の影を探してしまって。ふわふわと、浮いてるみたいに踊る彼の姿。だからこのラインを見るのが本当に苦しいってときもあって。不変なんてないんだよ。頭ではわかってるのに、寺西がドラマに出たときは置いて行かれちゃうって悲しくて、少クラでマイク持ってるのをみたらつらくて。嘉孝と目黒が快進撃と言わんばかりにいろんな現場に出ては先輩に可愛がられ、いつこのラインが崩れたっておかしくないのに。
変わってしまうのが怖いって、ずっとこのままがいいって泣いてしがみついてたけれど、あの子はあっさりと、流れ星みたいにシュッとステージからいなくなってしまった。
けど今回のクリエで、一度もあの子の幻影を思い出さなかった。4人が綺麗にフォーメーションを組んで踊ってて、ああもう、どっこにも影が見えないや。入れないね、この中には。ってあっさり。
どうか、ちょっと悔しいって思っててほしいな。君が下した決断は、きっと君のためになったけれども、君がずっと一緒にやってた戦友たちは猛スピードで前に進んでるよ。すっごいかっこいいよ。振り落とされないようにしないと、わたしまで吹っ飛ばされちゃう。

堂々と立って、ただのバックだけじゃなくて公演を演出を楽しもうとする四人、本当にかっこよかった。
たぶん今回のバックはThey武道の指名ではなかったんだと思うんですよ。オーダーがあるとすれば、「おれたちのダンスについてこれる人」。自分たちのダンスのえげつなさは自覚あるみたいだからwきっとそれだけ。それでどうして四人が選ばれたのか、スケジュール的な問題なのか、それともダンスの腕なのかわからないけれど。
ぜひ誇ってほしい。小さな、クリエというステージだけれど、They武道っていう先輩はすっごくいろんなことを見てきて、踊って踊って、10年以上踊り続けてきたんだよ。一流に触れる彼らと踊れる滅多にない機会に恵まれたこと。それは四人が頑張ってきたことが認められたから。これを誇らずして何を誇るのさ!
そして来年は、この四人(だけじゃないけど)の名前が印字されるクリエにいけますように。
They武道のクリエで頑張ってくれてありがとう。四人のことをちゃんと考えてくれてありがとう。どっちにも感謝の気持ちでいっぱいなクリエ!さいっこーに!たのしかったぜ!

*1:嘉孝いわく「強い」

*2:私の記憶が確かならば、ちゃんと被ったのは2013年の歌舞伎くらいで寺西にいたってはほぼほぼ初めまして